簿記2級の過去問分析&解説(151回)

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簿記2級の過去問分析&解説(151回)

151回日商簿記検定2級は、第1問、第3問が難しかったですね……。
合格率も12.7%という低さでした。
受験生のみなさんとしては、なんかこう出鼻をくじかれたというか、
「いきなりなんだよ~」と、テンションガタ落ちだったんじゃないかな~と思います。

日商簿記検定2級の日商簿記検定2級の第1問

1.2.3.5.はテキストにも例題として出てくるレベルの取引なのですが、
問題文の言い回しが独特で、テキストの例題と結びつけて考えることができなかった方もいらっしゃるかもしれません。

1.では本支店間の取引の処理が問われています。
「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」を使う場合には、「商品」勘定で処理していますので、1.の解答でも「商品」を使わなければなりません。
三分法であれば「仕入」を使いますし、通常のテキスト・問題集では三分法が前提でしたので、迷われた方がいらっしゃるかもしれません。

2.は評価益の30%分を「繰延税金資産」に、評価益の70%分を「その他有価証券評価差額金」に記録できるかがポイントです。
多くの方が正解できたと思います。

3.は「一定数量以上の商品を注文した顧客に対して、代金の0.5%分を免除する」のですから、割戻し(売上の取消)の問題ですね。
割引と間違わないようにしなければなりません。
過去問ではこのような言い方がされたことはありませんでしたが、文章内容に応じて割戻しと判断する必要がありました。

4.はかなり上級編の問題です。
還付・追徴については、過去1度だけしか出題されたことのないかなりレア(上級)な問題でしたので、
解答できなくても気にする必要はありません。

5.は代金として手形を受け取った(営業外受取手形にする)点以外は標準的なレベルの売却の問題であり、確実に得点したいですね。

以上より、できれば1.2.3.のうち2つと5.に解答できたとして12点程度欲しいところです。

標準的な問題をきちんと得点する、ってな感じで進めるといいかなと思います。


日商簿記検定2級の第2問

株主資本等変動計算書を作成する問題でした。
ここ数年で新たに試験範囲に含められるようになった項目ですが、
すでに複数回の出題があり、かつ、毎回同様のオーソドックスな出題が続いていますから、
多くの受験生の皆さんも対応ができていたのではないでしょうか。

この問題で16点~18点は欲しいところです。

過去の問題をきちんと身に着けていないと、正解は厳しいかも……。


日商簿記検定2級の第3問

またもや第3問の決算の問題で連結の総合問題が出てしまいました!
連結は平成29年11月試験から試験範囲に入ったとても難しく新しい論点です。
ですから、第147回試験の第2問での出題のような形が何回か繰り返されて、少しずつ出題量が増えるというパターンを想像していましたが、
新試験範囲に含められてから5回の試験中、2回で連結精算表を作成する問題が出題される事態となりました。

第148回での出題はテキストに出てくる基本問題レベル(といってもかなり難しい)の出題でしたが、
今回は子会社が2つもあり、かつ、連結4年目の解答を求めるという、おそらく、どの学校様でも押さえていらっしゃらないだろうレベルでの出題となってしまいました。
そのため、完答はかなり難しいと思います。

子会社が2つあるとはいえ、連結の作業を2回行えばいいだけです。

【S1社について】
・X0年3月の投資と資本の相殺消去を再現し、
・X1年~X3年ののれん償却・利益剰余金の処理を再現し、
・X4年3月ののれん償却・利益剰余金の処理を行い、
・X4年3月の取引・債権債務の相殺を行い、
・X4年3月の未実現利益の消去を行う
【S2社について】
・X3年3月の投資と資本の相殺消去を再現し、
・X4年3月ののれん償却・利益剰余金の処理を行い、
・X4年3月の取引・債権債務の相殺を行い、
・X4年3月の未実現利益の消去を行う
という流れです。

「売掛金」、「のれん」、「未払金」、「役務収益」、「販売費及び一般管理費」あたりでの得点を狙っていく
(未実現利益が絡むところは捨てる)というのが1つのやり方だったと思います。

ですから、10点程度取れていれば、十分といったところです。


日商簿記検定2級の第4問

各部門の予定配賦率、製造部費、各部門の差異を計算させる問題です。

各部門の予定配賦率(問1・問2)は問題にある[資料]1.を配賦表に見立てて配賦計算していくことで
容易に求めることができるテキストレベルの問題であり、確実に得点したいです。

予定配賦率が分かればそれに実際機械稼働時間を乗じれば各部門の予定配賦額が求められます(問3)。
問3で求めた予定配賦額と問題文にある実際発生額の差額が差異です(問4・問5)。

このように、第4問は問題の[資料]1.の配賦表を使って予定配賦率を計算し、
そこから芋づる式に計算する典型的な問題であり、20点を目指したいところです。

日商簿記検定2級の第5問

第4問と同様、こちらも典型的な等級別原価計算の問題でした。
等級別原価計算は
① 等級製品全部の完成品原価を求め、
② 各等級製品の生産量に等価係数を掛けた積数を求め、
③ ①を②(積数)の割合で按分します。

②の手順について、問1で表を書かせる点が少し目新しいですが、
それ以外はテキストおよび過去問と全く同じレベルでの出題です。
こちらも20点取りたいところです。


簿記2級試験の総評・アドバイス

151回の簿記2級試験は、ちょっとテクニックだけでは、点数を取りにくい問題が多かった気がします。
これは、新しい出題の仕方が増えたからでしょう。

なので、これからはただ過去問を解くだけでなくて、
論点をしっかり理解して、基本的な問題はかならず解けるように、
見慣れない問題は、とにかく書いて「考える」力をつける。
そうすれば、試験範囲改定に関係なく実力が発揮できるはずです。